冬の土の中でゆっくりと育つ 佐波賀だいこん は丸ごと美味しくいただけます。
京の伝統野菜 佐波賀だいこん
舞鶴市で平成22年から新たな特産品にと復活への取り組みが始められた野菜があります。それが大浦半島の南側 佐波賀地区を中心として栽培されている佐波賀だいこんです。佐波賀だいこんは秋に種を撒き翌年の2~3月頃収穫するため栽培期間が5か月と長く、寒い冬の土の中でゆっくりと育ちます。そうすることで身が締まり水分が少なく、おろしても水っぽくなりにくく、煮込んでも煮崩れしにくい大根となります。タンポポの葉のように大きく広がる葉の部分も美味しくただけます。また佐波賀だいこんは江戸時代までさかのぼる長い歴史があり京の伝統野菜に指定されています。
佐波賀だいこんの最盛期と復活
佐波賀だいこんは、晩成型で収穫期と市場に野菜が不足する早春に重なり、戦後の食糧難の時代には珍重され舞鶴を代表する特産品として京阪神や遠くは北海道にまで出荷されていました。昭和30年頃に最盛期を迎え年間1,100トンを出荷していましたが、栽培期間が長いことやずっしり重いことで収穫が大変であること等から次第に栽培されなくなっていきました。現在になり佐波賀だいこんには発がん抑制効果を持つ辛み成分が多く含まれ、葉の部分に関しても過熱しても下がりにくい抗酸化性(老化防止)を持っているということが分かっています。このような優れた特徴に近年注目され、平成22年から京都府にて保存されていた種を使用し、栽培復活の取り組みがなされてきました。生産者、株式会社イオンリテール、京都丹の国農業協同組合、京都府、舞鶴市が「京の伝統野菜 佐波賀だいこん食文化振興協議会」を設立し、本格的に生産・販路の拡大・情報発信等に取り組んでいます。
舞鶴おでんと佐波賀だいこん
舞鶴のご当地グルメの一つ、舞鶴おでんをご存じでしょうか? じゃこ と呼ばれるカタクチイワシなどの煮干しでダシをとり、近海で捕れた新鮮な生魚のすり身を加工した舞鶴のてんぷらなどを入れて煮込む舞鶴おでんにも、繊維質が多く煮崩れしにくい佐波賀だいこんはぴったりです。舞鶴おでんの掟も公開されていますので、ぜひご自宅でもお試しください。詳しくはこちら ⇒ 舞鶴おでんホームページ